司法試験 修了後5年で3回が5回に それでも・・・
「弁護士を増やす」
そういった目的で、法科大学院制度が国を挙げて始まりました。そして多くの人が弁護士になる為に法科大学院に入学し勉強を開始しました。法科大学院を卒業してから5年以内に3回の司法試験を受けるチャンスしかない状態でです。
しかし2014年3月4日、安倍内閣が『修了後5年で3回の受験制限を5回に変更』しました。これにより、2回のチャンスが増えたわけですが、根本的な解決になっているのかと言うといささか疑問です。
条件が厳しすぎる
今回、司法試験法改正案が閣議決定され、今国会で成立させることを目指しているとのことです。こうなるとほぼ、閣議決定されることでしょう。
しかし、いずれにしても条件が多少緩和されるだけで、依然として厳しいと言えます。
国の政策の失敗
弁護士の数を増やすということで、2006年から新司法試験制度が導入されました。法曹を目指す人は「法科大学院」を卒業するという条件が付けくわえられ、更に卒業してから5年以内に3回まで受験できる司法試験での合格を目指すというものでした。元々、弁護士を増やすことを目的としたため、法科大学院を卒業した人たちの合格率は上がるものだと考えられていました。
しかし現実には、期待する合格率には遠く及ばない数字が何年も続きました。ハッキリ言って国の政策の失敗です。
リスクが高い
これにより、多くの有能な人材が貴重な時間を無駄にしてしまいました。法曹を目指すくらいの人材ですので、元々優秀な人が多いわけです。そういった人が、仕事に就かず(仕事を辞め)法科大学院に入学して来ました。司法試験を目指すくらいですから、バイトをしている時間などありません。
ただ日々、勉強の毎日です。それでも合格者が少ないのです。おそらく、弁護士になるといった夢を追わなければ、元来優秀な人材ですので、一般的な会社ではそれなりに仕事で成果を出していたことでしょう。給料もそれなりにもらっていたことでしょう。
そういったことを棒に振り夢に欠けた結果、無収入の学生生活+不合格という散々な結果になった人が増えたのです。こういった現状を目の当たりにすることで、多くの人が弁護士を目指すことを敬遠するようになりました。当然のことです。何も弁護士だけが仕事ではありませから。
今回の改正は救いとなるのか?
今回の改正は救いとなるのかと言うと、決してそんなことはないと思います。結局司法試験の難易度が変わらない限り、回数が増えたところで意味がありません。多少なりとも試験内容のレベルを落とし、合格者を増やし、弁護士事務所で給料をもらいながら経験を積んでいくシステム等に移行した方が良いと思います。
有能な人材が潰されるのをこれから先、見たくはありません。